「地平」設立宣言

 われわれは、20世紀の造形上の全面的な展開として、自由な表現を通過駅に観る。
 日々活動している現実の事象の上に成り立つ個の精神の独立が、今要求されている。
 混乱の中で何かを捉え、刈り取ろうとする目は、個々人の現実批判の精神の目に他ならない。
 現在、直面する時代の閉塞状況人間疎外、資本の論理の重圧、「核」危機と環境破壊等の重層する状態、その渦中にある生活と危機意識は、日常を拘束している。
 状況の枷が強ければ強いぼど、迷いが深ければ深いほど、われわれの希求するものは、前衛的で、よりダイナミックな共同実験を繰り返さなけれぱならないだろう。
 われわれは何処へ行こうとしているのか。
 創造する者として、普遍的な自由を享有し、混沌と形式を領有しながら、芸術の非人間化に激しく対抗しつつ、人間存在のあらゆる価値と創り出す行為の共存により社会参加・連帯をめざし、それを阻むものをこそ超え、打破することをもって、21世紀の新たな地平を拓かんとす。    (1997マニフェスト)